ハノンの練習の仕方と気をつけたいこと

こんにちは。
今日はハノンピアノ教本の1番から31番について、練習の仕方と練習の時に気をつけたいことをお話したいと思います。

ハノンの練習は
① 暗譜で弾く。
② 指がどのように動いているのかを常に意識しながら弾く。

この2点が大切なことだと思っています。

ここで、ハノンを練習しているみなさんにお聞きしたいと思います。
もし今練習で上手くいっていないと思っているとしたら、ハノンを練習していてどんなことを感じますか?

・楽譜を見るとたくさん音符が書いてあって、弾けるようになるまでが大変。
・途中で何度も間違えてしまう。
・弾いていて、初めから最後まで退屈に感じる。
・自分の意志とは違った指が動いてしまう。
・ゆっくりなら弾けるけど速いテンポになると弾けなくなってしまう。

どうですか?
当てはまるものはありましたか?
もし、他に感じていることがあればコメント欄で教えてくださればお答えできる範囲内でお返事させていただきます。
ハノンの楽譜を持っている方は1番のページを見てみてください。

1. すばやく動く
2. 1本ずつ独立させる
3. 力強くなる
4. つぶをそろえる

                      ハノンピアノ教本より

ハノンの1番のところにこのように書いてありますよね。
これがハノンを練習する目的になるので、楽譜に書いてある音を見ながら弾いていては練習する目的に程遠いものになってしまいます。
なぜなら、楽譜に書いてある音を見ながら弾くと「楽譜に書いてある音を見ること」が最優先になってしまい、肝心な「指のことや聴こえてくる音」を意識して弾くことができなくなってしまうからです。
だから前述した大切なことの2点、①練習にとりかかる際にはなるべく早く暗譜をしてしまい、その上で②1~4にある目的を達成するにはどうしたら良いのか、自分の指の動きを観察しながら聴こえてくる音に耳を傾けながら練習することによって目的に近づいていくのだと思います。

どうやって暗譜すればいいか

「なるべく早く暗譜する」って、そんな簡単に言うけど難しいよ・・・
って、思っている方もいるかもしれません。
ハノンを暗譜するのが難しいと思っている方は、暗譜の仕方に問題があるのかもしれません。

暗譜の仕方にもコツがあって・・・
ハノンは前半は上り、後半は下り、といった形になっていて上りの形と下りの形をそれぞれ覚えたら、あとはそのまま同じ形で進んでいきます。なので、ハノンの暗譜は「音を1つ1つ覚える」というよりも1小節の中に書いてある音を1つのグループとして捉えて、グループの音がどんな形になっているかを見て「音の形を覚える」という暗譜の仕方をすると効率よく暗譜することができると思います。
1小節目の音の形を覚えたら、その形が何小節目まで上っていくのか。
下りの最初の小節(1番であれば15小節目)の音の形を覚えたら、その形が何小節目まで下がって終わるのか。
まずは、それを覚えてしまいます。

音の形を覚えたら次は指番号です。指番号も音の形に合わせて同じ指番号で上がって、同じ指番号で下がってきます。
どうしても書いてある指番号の通りにいかない場合は、「どうしてこの音の形にこの指番号が決められているのか」ということを考えてみてください。
もしくは「どうしてここで指を間違えてしまうのか」ということも考えてみると良いかもしれません。
また、右手と左手の手の違い(左右対称になっている)もよく理解しておく必要があると思います。

言い方は悪いかもしれませんが、ハノンは単純な形でできていると思います。
・上りの音の形
・下りの音の形
・上りの音の形が何小節あって、下りの音の形が何小節あるのか
・上りと下りの指番号
以上のことを覚えてしまえば暗譜で弾くことができるのです。
初めのうちは暗譜するのに少々時間がかかるかもしれませんが、2番、3番・・・とやっていくうちに慣れてくると思います。

一緒に練習してみましょう♪

ハノン1番を暗譜で弾けるようにするために覚えておく必要なこと。
「音の形」「指使い」「全体の構成」などを動画でお話しています。
練習の参考にしてみてくださいね(^v^)

指や音を常に観察しながら弾く

暗譜することができたら、あとは楽譜を閉じてひたすら弾くのみです(笑)
ここでは自分の指がどんな風に動いているのかということと、音がどんな風に聴こえてくるかということを意識してみてください。
「どんな風にって?」
例えば、「この指とこの指の組み合わせの動きに違和感を感じる」「聴こえてくる音にバラつきがある」などといった自分なりの気づきで良いので、指と聴こえてくる音を常に観察しながら弾くようにしてみてください。
そして、自分なりに気づいたことをできる範囲でよいので克服するように心がけてみてください。
そうした練習を積み重ねることによって、何か変化を感じる時がきっとくるはずです。

最後に

・楽譜を見るとたくさん音符が書いてあって、弾けるようになるまでが大変。
→上りの始めの1小節と下りの1小節だけがんばって音を読んでみてください。
 そしたら後は効率よく暗譜すれば、楽譜に書いてあるすべての音を読む必要はありません。

・途中で何度も間違えてしまう。
→途中で間違えてしまうのは音の形をもう一度確認することと、その音の形に正しい指番号で弾くことができているかということを確認してみてください。

・弾いていて、初めから最後まで退屈に感じる。
→練習の目的を間違えているのだと思います。自分の指や聴こえてくる音を意識して弾くようにすれば決して退屈に感じることはなくなると思います。

・自分の意志とは違った指が動いてしまう。
→まずは片手ずつ、次はどの指を動かすのかということをよく考えながらゆっくりと弾いてみてください。両手にする時には、右手と左手の指の違い(左右対称になっている)に気をつける必要があります。片手ずつの時よりももっと気をつけながら弾いてみましょう。 自分で納得できるまではテンポを速くする必要は全くありません。このようにして右手5本の指、左手5本の指すべての1本1本の指に意識を持つことによって自分の意志の通りの指が動いてくれるようになるはずです。

・ゆっくりなら弾けるけど速いテンポになると弾けなくなってしまう。
→何度も弾きこんで速く弾くための筋力をつけること、指の形や指の動かし方、その他にも手の形、腕の位置、もっと言ったら座り方や弾く時の姿勢も関係してくるかもしれません。また、速いテンポで弾けない場合、音の捉え方に問題があって1番で例えると「ドーミーファーソーラーソーファーミ」と、1つ1つの音に力を入れすぎた弾き方になっているのかもしれません。そのような弾き方でテンポを速くしていくには限界があると思います。1つ1つの音をがんばりすぎて弾かないで「ドミファソラソファミ」を1つのグループとして捉えるようにすると指の動かし方も自然と変わって、速いテンポでも弾きやすくなると思います。

ハノンの練習の仕方と気をつけたいこと” に対して3件のコメントがあります。

  1. 中年からのピアノ弾き より:

    こんにちは
    69才のオヤジです
    ハノン2番と3番の下りの左手がぎこちないです
    これは、何度も弾きこんで速く弾くための筋力をつけること、ひたすらに片手練習で繰り返すことでしょうか

    1. pianodiary より:

      こんにちは。
      左手は右手に比べて指が動かしずらいですよね(^^;
      おっしゃる通り、何度も弾きこんで筋力をつけることはとても大切なことだと思います。
      その時に、左手の5本の指をよく観察しながら弾いてみることです。
      ぎこちなく感じる左手の指でも動かしやすい指のペア、動かしにくい指のペアがあるはずです。一度試してみていただきたいのですが、机の上でもいいので左手の1番と3番の指を交互に動かしてみてください。1番3番1番3番・・・といった具合に何度もです。同じように3番と5番、5番と4番、4番と3番、3番と2番もやってみてください。
      この番号の組み合わせはハノン2番の下りに出てくる指番号です。
      2つの指番号のペアを交互に動かしてみると、動かしやすい指のペアと動かしにくい指のペアが明確になります。動かしにくい指のペアが明確になったら、例えば5番と4番の指のペアが動かしにくい場合は「ソレシドレドレミ」と弾くところを「ソレシドシドレミ」といった具合に5番と4番で弾く部分を2回弾きます。(可能であれば2回でなく3回、4回とできる範囲で増やしてみてください)その時に力ずくで指を動かさないように、始めのうちはピアノの音が出なくても構わないので音を出すことよりも指を動かすことの方を優先してください。力ずくでやってしまうと指を痛めることになってしまいます。この練習は机の上や膝の上でやってもいいと思います。
      日数をかけて根気よくやってみてくださいね!(^^)!

  2. 中年からのピアノ弾き より:

    ありがとうございます。さっそく、やってみます。

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