春から中学生になる子たちに思うこと

こんにちは♪

2月になりましたね。
子どもたちは、あと1か月半ちょっとで今の学年も終わりです。
そんな今の時期から3月にかけてに多いのが、4月から中学生になる現在6年生の子を持つ親御さんからの相談です。

 

今でも忘れられないこと

「音楽の専門の道に進む訳ではないので、区切りにしたいと思います。」
そう言ってピアノをやめていった生徒さんが過去に何人かいました。

親御さんがおっしゃったこの言葉に何ともいえない気持ちになり、「○○ちゃん、今頃どうしているかな、元気で学校に行っているのかな。」と、今でもふと思い出す時があります。

もちろん親御さんは悪気があってこのようにおっしゃったのではなく、親子でよく相談した上でのことです。
でも、この言葉を聞いた時にはとても寂しい気持ちになってしまいました。

中学生になると勉強と部活中心の生活になり、家への帰宅時間も小学生の頃よりも遅くなります。
勉強と部活を両立させてがんばることは中学生として当然のことだと思います。
”当然” というのは勉強で良い成績をとるとか、部活でレギュラーになるとか、そうゆうことではありません。
その子なりの中学生生活を送るということです。

確かに練習時間を確保するのも難しくなりますし、疲れて練習できない日も出てくると思います。
きっと親御さんはそういったことも予測して、”専門の道に行かないのであれば” と、やめる決断をされたのだと思います。

中学生はまだこの先にある高校進学や大学進学を控える大切な時期です。
親御さんは大切なお子様の将来のことを真剣に考えており、もちろん親子で相談することも多々あるでしょう。
その捉え方や考え方は様々で、残念ながらその領域にまで第三者の私が口を出すことをしてはいけないのです。

”中学への進学を機会にピアノに区切りをつける”
このように既に決めてお話をされた場合、本当に残念ですが私はそれに従うしかありません。
きっとご家庭で何度も話し合いをされて決断に至ったことと思います。

でも、私は思います。
「専門の道に進まなくても、勉強や部活の傍らピアノを楽しんでいくという選択はなかったのかな」と。

「元気でがんばってね。たまにはピアノを弾いてあげてね。」
と、最後に言葉を交わし最後に見送るときには、中学生へと成長した喜びとは反面、寂しい気持ちとで複雑な気持ちでした。

 

ピアノを習うことの意味

先ほどの親御さんがおっしゃったように、ピアノの専門の道に進まなければピアノは区切りをつけた方が良いのでしょうか。

ピアノが弾ける。
何年も何年も小さい頃からコツコツと積み重ねてきたものは、その子だけの大切な財産です。
こればかりは誰もが手にすることのできない、ピアノを習ってきた子にしか手にすることができないものです。
その財産は専門の道へ行くことにしか生かされないのでしょうか。

確かに中学生は勉強に部活に忙しい毎日。
そんな毎日の中で練習できない日があったとしても、少しの時間でもピアノの前に座ってピアノを弾いた時にホッとする、楽しい、イヤなことがあったとしても癒されるような・・・
ピアノがそんな存在であってもいいんじゃないかな、と思います。

ピアノの練習のために当てる時間が減ってしまうことで、今までのように弾けなくなってしまうことへの不安を抱くかもしれません。
だったら今の自分への負担が少なく、楽しんで練習ができる曲を選んでみてはどうでしょうか。
誰のためでもない、自分のためなのですから必要以上の無理をすることはないと思います。

そんな悠長なこと言ってられません。
と、思っている方もお見えだと思います。

でも・・・

中学生。
今から大人になっていくために大切なこと、たくさんあると思います。
何事も上手くできればよくて上手くできなかったらダメで、それはもう続ける意味がないのでしょうか。

上手くいかなくてもその子なりにがんばったのであれば、そのがんばった過程が大切なのではないでしょうか。
そして、がんばったにもかかわらず上手くいかなかったことをどうにかしたいと本人が思うのであれば、今後どうすべきか本人が気づいていくはずです。
そうやっていろんな経験を何度も何度も繰り返しながら大人になっていくのだと私は思います。

ピアノも同じで楽曲の難易度などで良し悪しをつけるのではなく、上手く弾いていたら良くてそうでなかったらダメではなくて、忙しい環境の中でも一つのことをやり続けていくということ。

思うように時間がとれなくて練習できない日があっても簡単にあきらめない。
できる時に少しずつでも練習を重ねれば練習しただけの成果は必ずあります。

そんなことを感じながら上手く弾ける、弾けないということではなく、忙しい毎日の中でもコツコツ続けることの大切さを学んでいってほしいと思っています。

こういった経験は大人になって社会に出てからも役に立つことだと信じています。

 

さいごに・・・

3月の卒業式を控え、春から中学生になる子がたくさんいます。
今年はみんな中学生になってもがんばってピアノを続けていきたいという子ばかりです。

みんな小さい頃からその子なりにコツコツと練習を積み上げてきました。
誰もが持っているものではない自分だけの貴重な財産。

中学生になってもその財産を大切に。
たとえ少しずつでも育てていってあげたいと思うと同時に、続けていくことの大切さを学んでいってほしいと思っています。

 

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