幼児のピアノレッスン 落ち着きがないのは貴重なサインなのかも

こんにちは。
今日は幼児のピアノレッスンでのお話です。

幼児 満1歳から小学校就学の始期に達するまでの者

児童福祉法より

現在私のピアノ教室に通う生徒さんで幼児に該当するのは保育園や幼稚園に通う子たちです。
年少さんから通う子はたまにいますが、年中さんや年長さんから通う子が多いです。
保育園や幼稚園に通う前の子は、ほとんど教えたことがありません。
なので、”保育園や幼稚園に通う幼児の子” についてお話したいと思います。

突然ですが。

先生がお話しているのに足をブラブラ、教室に置いてあるいろいろなものが気になり目はキョロキョロ。
そして、 大きなあくびを連発。
先生が教えてくれていることがなかなか理解できない。
仕舞には椅子からおりてしまい、床に転がってしまう。

レッスンを見学されていてお子さんのこのような態度に、それを見ている親御さんはドキドキした気持ちになってしまうといった経験はないでしょうか。

「落ち着きがなくて・・・すみません」
親御さんはどうしていいか分からず、とても申し訳なさそうにしています。
「全然大丈夫ですよ。こんな小さな子がずっとおとなしくしている方がおかしいですよ。」と言うと「本当にすみません。」と再び謝る親御さん。


本当に落ち着きがないのか

「まだレッスンに通いだしたばかりなので無理もありません。月日を重ねるとともに、だんだん落ち着いて椅子にも座れるようになりますよ。歯がゆく思われることもあると思いますが、Aくんのペースを一緒に見守っていきましょう。」
私はいつも親御さんにこのように言ってきました。

でも、もう一つ思うことがあります。
この子は本当に落ち着きがないのかな。
私にも原因があるのではないかということです。

レッスンの中で他のことに興味がいってしまったり、あくびをするのは、私のやっていることがおもしろくないからかもしれません。

子供は緊張からあくびが出ることがあると聞いたことがあります。
であれば、きっと私は堅苦しい空気の中でその子にとって難しいことを押し付けているのかもしれません。
先生のお話に集中できないのは、その子にとって興味のないことだったり、その子にとっては教えるにはまだ時期が早い内容のものなのかもしれません。


これはとても貴重なサイン!

”子どもは正直”
と、よく言いますが本当にその通りだと思います。

「先生。コレ、難しい~」「分からない~」
なんでもハキハキと言葉に出して言う子もいますが、そうでない子の場合は様々な思いが何かしらの態度となって表れるのです。

これは小学生低学年から中学年の子にもたまに見受けられることがあります。
例えば、話を聞いている時に椅子にはちゃんと座っているのですが膝の上に置いた手が落ち着かずスカートの裾や洋服についている紐などを頻繁に触っていたり、ピアノを弾いている時でも途中で手が鍵盤から離れ、頬をかいたり髪の毛を触ったり。
本当に頬がかゆかったり、髪の毛が邪魔で触っただけなのかもしれません。
でも、このような動作が頻繁に起こるようであればやはりこれは本人は何気なくやっていることであっても無意識に緊張だったり不安だったり自信がないといったものを解消しようとすることの表れのように思います。

親御さんから見て ”落ち着きがない” と思われるような態度は教える側の私にとっては子どもからの貴重なサインであると受け止め、レッスンの仕方も工夫する必要があると思いました。

子どもが大好きなテレビを見ている時の姿を思い出してみてください。
この子、瞬きしている?
って思うくらいに目は大好きなヒーローにくぎ付けで、体はピクリとも動かずとても集中して見てますよね。
どう見ても落ち着きがないとは思えない様です。


興味があるものだからどんどん吸収していく

Aくん。
幼稚園に通う年中さんですが、本当にストレートな子です(笑)
私が話をしていても、へっちゃらでくるっと後ろを向いて飾ってあるぬいぐるみを触りだしたり、私が名前を呼び掛けてもマイペースでお構いなくふでばこの中の整理を始めたり・・・

そして、お母さんの声掛けもありようやくレッスンできるかと思ったら「眠い~」と言い出し(笑)
でも、ピアノのレッスン以外のお話はとても積極的にしてくれます。
大好きな虫の話になると目がキラキラと輝いて。
あれ?さっき眠いって言ってたのでは?(笑笑)
これにはお母さんも笑ってお見えでした。

できないことをできるように努力することは大変なことです。
また、分からないことを一生懸命に理解することも大変なことです。
ましてやまだ4歳や5歳の子に ”努力することは大事なことだよ” なんて言って聞かせたところでまったく通じないです。
Aくんは虫のことを本当によく知っています。
これは、誰かから無理矢理教えられたものではありません。
Aくんが興味をもったからに他なりません。


思い切ってできることだけにしてみる

Aくんは30分のレッスンの始めから最後までずっと落ち着きがないというわけではありません。

音符を書いたりリズムを打ったり歌を歌ったりピアノを弾いたりしている中で興味が少しでもありそうなもの、まったく興味を示さないものなどが少しずつ見えてきました。

ある日、Aくんがあまり興味を示さないものについてこんな風に言ってみました。

「今日はコレ、やめよっか! だってコレ、なんだか難しそうだもんね。」

一瞬、びっくりしたような表情をしていましたがなんだかうれしそうなAくん。

そして。
「今日はAくんがやりたいものだけやろう!何がやりたい?」

と、その日のレッスンはAくんのやりたいことだけを優先させてみました。


一つの自信を持つことが次へとつながっていく

やりたいものだけを優先させるレッスンは、決して甘やかしていることとは違います。
これは少しだけ遠回りをしているだけです。
そう。
やりたいことから始めて、まずは自信をつけること。
自信がついてこれば、苦手なことや興味がないことにも積極的に取り組むことができるのではと思ったのです。
それに、興味を示さないものはもしかしたら自信がなくて踏み出せなかっただけで、もしかしたら難なくできるものかもしれません。

「やりたいものだけやろう」
と、先生に言われれば自分が苦手ではないものを選ぶのは当然のことです。
苦手ではないことなので、上手くいかないところが多少あっても上手くできることもあります。
上手くできたところは、先生やお母さんに褒めてもらえます。
そして、やる気モードになってくる状態を見逃すことなく、今度は上手くできなかったところの練習にもっていきます。
それができた時には、先ほどよりももっと褒めてあげることによってAくんは少しずつ自信をつけていっていると感じることができました。

お母さんや私から見て簡単に思えるようなことであっても、Aくんにとってはがんばってできたことなのです。
がんばってできたことを当たり前のように思うのではなく、一つ一つ認めてあげることはとても大切なことです。

このようなレッスンを続けること数か月。
Aくんは「眠い~」とまだ言うことはたまにありますが(笑)、ピアノを弾いていて上手くできなかった時に「もう一回やる!」と、言うことが多くなってきました。
これは大きな変化です。
そればかりでなく、 今まで興味を示さなかったものにも少しずつ目を向けるようになってきたのです。

そして、教室に飾ってあるぬいぐるみや備品などを触っていたのは今思えば自信がなくて不安な気持ちの表れだったのかもしれません。
そのようなことも少しずつ減ってきました。
(ぬいぐるみに飽きてしまっただけかな 笑)


子どものペースを見守ることの大切さ

Aくんは今、Aくんのペースで確実に成長していっていると実感しています。
そしてこれからもそのペースを見守っていきたいと思います。

小さな器に大量の水を入れると水はあふれてしまいます。
Aくんの持っている器の大きさに合わせて、ちょうどになるくらいの水を入れてあげるように、それ以上は入れないように。
そして、Aくんの持っている器は少しずつ大きくなっていき、入れてあげる水の量もだんだん増えていきます。
大切なのは始めから水の量を増やすことよりも、まずは器を少しずつ大きくしてあげることだと思います。
器が大きくなるから、水の量を増やすことができるのです。
これはピアノのレッスンだけではなく、あらゆる場面で共通することのように思います。

と・・・
偉そうなことを語っていますが私自身、ついつい熱が入り大量の水を注いでしまっていることも多々あります。
偉そうに語っておいて、それはないですよね(笑)
熱が入り過ぎないように気持ちをリセットしたり、初心を忘れないこと。
大切なことですね。

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