どうして同じ箇所を何回も間違えてしまうのか

こんにちは。
今日は、何回も同じ間違いを繰り返してしまうA子ちゃんとのレッスンのお話です。


「ここの部分は、前にも注意したところだよね。」
「ここ。まだ直ってないよ。」
「ち・が・う・よ!」

先生の口調がキツイ口調だったとしても、やんわりとした口調だったとしても、生徒さんは一度は経験したことがあると思います。

やんわりと優しい口調だったとしても、同じことを何度も言われて、いい気分になるはずはなく・・・

先生に言われた時には覚えていても、うっかり忘れてしまうんですよね。
で、再度先生に言われて「あああ~そうだった。しまった・・・」って思うんですよね。

先日、レッスンで同じようなことがありました。
ある一部分の箇所を弾きにくそうに何度も弾きなおしているA子ちゃん。

「A子ちゃん、ここの部分。なんでつっかえてしまうんだろうね。
確か先週のレッスンで、ここは指使いができていないせいで指が足りなくなってしまって弾きにくくなっていることを先生と一緒に確認したところだよね。
で、先生と一緒に練習したらとっても上手くいったよね。
なのに元にもどっちゃったよ。」

「・・・」
しまった~という表情のA子ちゃん(笑)

いんですいいんです。
誰でも忘れてしまうことはあります。
だから「次のレッスンまでにはがんばって直そう!」と、なればいいのです。

でも、そうはならない場合もあって・・・


すぐに直せるものがどうして直らないのか

アドバイスの内容が日数を要するもので、1週間や2週間では改善されないような内容のものであれば、これはコツコツとやっていかなければならず、教える側は少しでも進歩が見られれば励ましてあげながら温かく見守っていく形になるでしょう。

問題なのは気をつければすぐに改善されるような内容のものが、なぜ何週間も同じ間違いを繰り返してしまうかということです。

先ほどのA子ちゃん。
指使いを間違えてしまうのですが、同じ間違いを何週間も繰り返しているのです。
レッスンでは「指使いに気をつけて弾いてごらん。」と、私が横から言うだけでできてしまうような内容で、そんなに複雑な指使いではありません。
でも、次の週のレッスンではまた指使いを間違えている・・・

これは練習量の問題ではなくて、本人の意識の問題だと思います。

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気を付ける箇所を印象付けてみる

どうして気を付けなければならないのかということをきちんと分かった上で「ここの部分は気を付けようね」と、赤い鉛筆で印をしたり、かわいいシールを張ったり、一緒に練習したり・・・

それでも改善されないのは、赤い鉛筆の印もシールも目には入っておらず、改善できるよう先生と一緒に練習したことは覚えていても、家で練習するときには ”気をつけなければならないこと自体” を忘れてしまっていると思われます。

気をつければできるのに、気を付けることを忘れてしまうのはもったいないですよね。

どうしたらこの箇所で思いとどまり、気を付けることができるのかな・・・


「A子ちゃん。先生、いまから防虫スプレーを買ってこようかな(笑)」

「防虫スプレー???」
先生、なんかいきなりおかしなこと言ってない?と、言わんばかりにきょんとした顔をしたA子ちゃん(笑)

「そう。防虫スプレー。
A子ちゃんがピアノを弾いていて、ここの指使いのところになると、きっと ”うっかり虫” が飛んできてA子ちゃんの頭の上にいるんだよ。
だからA子ちゃんはここの指使いをうっかりと間違えてしまうんだよ。
先生が ”うっかり虫” 用のスプレーをシュッとしたら、きっと指使いが直るかも!」

とっさに思いついた虫の名前、 ”うっかり虫”(笑)
気を付けることをうっかり忘れてしまわないように、そして気を付ける箇所を印象づけるためにA子ちゃんに話してみました。

そしたらA子ちゃん。
「そんな虫いないよ。しかもそんな防虫スプレーなんて売っていないし。」
と、A子ちゃんに笑われてしまいました(笑)

「でも、これは絶対に ”うっかり虫” の仕業だよ。」
(まだ言うか・・・って感じなのですが)

「ねえねえ、A子ちゃん。
”うっかり虫”ってのがもし本当にいるとしたら、どんな格好してるんだろうね。」

A子ちゃんは絵を書くのがとても得意なのです。
そこで・・・

「先生、見てみたい!今度のレッスンまでに、ここにA子ちゃんが想像する ”うっかり虫” の絵を書いてきて!」
と、楽譜の余白の部分を指さして言いました。

絵を書くことが大好きなA子ちゃんは、とても嬉しそうに「分かった!」と、言って帰っていきました。

そして1週間後。
A子ちゃんは約束通りうっかり虫の絵を楽譜に書いてきてくれました。

まぁ♡
なんともユニークな絵!
”?” の形をした触角がついたうっかり虫。

そして肝心な気を付ける箇所はどうなったかというと。
笑笑笑・・・
あまり効果はありませんでした・・・残念
かわいい虫の絵を書いてきてくれましたが、かなり頑固なうっかり虫のようです(笑)

それでも、気を付けなければいけないということが少しは印象づいたように思われたので、次回のレッスンに期待しようと思います。

それでも効果がなかったら?

その時にはまた別の方法を考えたいと思います。
さて、次なる対策はどんな風にしようかな・・・(^v^)

【追記 2019年 5月9日】
うっかり虫を書いたところ。
先日のレッスンで、A子ちゃんは見事に克服していました!
気をつけて弾かなければならないことの大切さを1つ覚えたことは大きな進歩です。
そして、間違えることなく弾けたことに自信がついてきたようです。

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