ピアノが上達しない理由
こんにちは。
ピアノが上達しないのには理由があります。
練習、レッスン、心・・・
など、様々なことが考えられると思います。
ピアノが上達しない理由、それは練習しないから
そんなことくらい、言われなくても分かってるよ~
ですよね。
でも、長い間ピアノを教えていると、ちょっと勘違いをしているのでは・・・?
と、思う生徒さんがたまにいたりします。
それは、”ピアノ教室に通ったらピアノは弾けるようになる” という考え方です。
確かにピアノ教室に通えばピアノは弾けます。
でも通うだけでは ”上達” は望めません。
例えば、練習している曲の中で難しい箇所があったとします。
そんな箇所は一緒に練習したり、練習の仕方をアドバイスしたりするのですが、レッスンで一緒に練習してできるようになっても翌週のレッスンでまた全然弾けなくなっているということは、レッスンで私と一緒に練習していることを ”ピアノの練習” と思っているのかもしれませんね。
ピアノはやはり家での練習をしないことには上達しません。
初めのうちは10分、15分くらいの時間でいいので、まずは”家で練習する” という習慣づけから始めてみるのがいいと思います。
レッスンの受け方
① レッスンの内容をどの程度聞いているか
生徒さんとレッスンしていて、「あ~この子、今違うこと考えてる~」と感じる時があります。
「ん?どうした~?」と、聞くと「お腹すいた~」とか「眠い~」なんて言葉が返ってくる時があったりします(笑)
その他にも体調が良くない、気持ちがどうしても向かないなど・・・
大人でもありますよね。
そんな時は残念ながらいくらレッスンしても理解することはできません。
レッスンでそんなことが頻繁にあるようだと、次でお話しする②のことができなくなってしまいます。
② 家での復習
レッスンで先生にアドバイスされたことを忘れないうちに家で復習するようにしていますか?
例えば音の読み間違い、間違った指使い、間違ったリズム・・・
こういった単純な間違いはきっと先生は楽譜に印をつけるなどしてくれるはずです。
レッスンでの記憶が薄れないうちになるべく早くその箇所を家で復習するようにすることが大切です。
ところがそれを家で復習することなくレッスンに行けば、先生はまた同じことを繰り返し指導するため、その先のことをレッスンすることができず前回とほぼ同じ内容のレッスンになってしまいます。
そんなことがレッスンで度重なれば、次のステップへレッスンを進めることはできません。
結果、なかなか上達しないということになってしまいます。
② レッスンの内容を理解しているか
ある1つのことを生徒さんに教えるのに、生徒さんがそれをちゃんと理解しているかどうか、よく観察しながらよく確かめながら。
もし理解できていないようなら、もう一度。
この教え方で理解できないなら別の方法で教えてみる。
こういったことは指導者にとってとても大切なことだと思います。
そのようにレッスンした場合は当然理解するまでの時間が必要になります。
でもこれは、なかなか上達しないと言うよりは ”ゆっくり上達していっている” という風に考えることができます。
1つのことを理解するのには個人差があり、ゆっくりと見守ってあげることも大切なことです。
先生とレッスンしたことを家でも復習して練習しているのであれば、これはその子のペースを見守り、応援してあげるべきだと思います。
練習しているのに上達しない
① 練習する時間のとり方
例えば休日などにまとめてたくさんの時間練習するよりも、なるべく毎日練習する方が良いと思います。
練習と練習の間隔が長くなってしまうと指は動きにくくなるし、せっかく練習した時の記憶の定着もその間に薄れていってしまうと思います。
③ 練習の仕方が良くない
1つの曲を練習するときに、曲の始めから終わりまでを繰り返し何度も弾く。
練習の仕方を工夫していない場合、このように練習する人が大半だと思います。
これは練習ではなく、”ピアノを弾いている” です。
例えばお母さんがお子さんとピアノの練習の約束をするときに、「始めから最後まで5回弾いたら終わってもいいよ」と約束することがあるかと思います。
これが ”まずはピアノに向かう習慣をつけて欲しい” という考えのもとであれば1つの方法としていいのかもしれませんが、そうでなければ練習の仕方を工夫する必要があると思います。
ピアノの練習は練習することによって1つでも何か得るものがあり、それがだんだん積み重なって上達へとつながっていきます。
「練習の仕方を工夫するって、そんなのどうやって工夫したらいいのか分からないよ~」
そうですよね。
例えば曲の始めから最後まで通して弾いた時に、上手くいかない箇所があったら、まず ”どうして上手くいかないのか” 疑問を持つことから始めてみることです。
そして、その個所の解決策を自分なりに考えてみます。
指使いが間違っているのか、音を読み違えているのか、リズムがスムーズにとれていないのか、フレーズのとり方がおかしいのか・・・いろいろあると思います。
自分でいろいろと探っていくわけですから始めのうちは面倒くさく感じるかもしれません。
そんな時は練習する範囲を1点に絞って「今日はこの箇所だけ練習することにしよう!」と決めるなどしてみてください。
面倒くさいなぁ~と感じながらも自分なりに思いつく方法で練習して、その箇所が解決した時には必ず達成感があるはずです。
この経験が積み重なると、だんだん練習のコツがつかめてくると思います。
結果・・・
上達につながっていきます。
④ 練習が足りていない
どういった状態なら ”上達している” と感じるのか。
これは人によって様々で、感じ方が違うと思います。
”自分はこんなに練習しているのに上達していない” と、思っているのであれば、それは自分が目指しているものがまだほど遠く、 ”こんなに” と思っていてもは実はまだまだなのかもしれません。
練習の仕方を工夫することだけではなく、たくさんの時間弾きこむことが必要な場合もあります。
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練習のこと以外に理由があるのかも
ピアノが上達しない理由について、これまで練習に関することを述べてきましたが、ピアノが上達しない理由の中には、練習以外のことにも目を向ける必要があるかもしれません。
練習するためのモチベーション
例えば
レッスンで上手く弾けていなかったところのアドバイスを先生から受け、家で練習をして次のレッスンで上手く弾けるようになったとします。
そして、先生に「がんばったね!」と、褒めてもらいました。
きっとお子さんは嬉しそうに家に帰り、それを家族の人に報告すると思います。
例えば
家でピアノの練習をしていて今まで上手くいかなかったところが、上手くできるようになったとします。
「お母さん、できるようになったよ」
と、お子さんがキッチンで夕食の準備をしているお母さんに報告に来ることもあると思います。
そんな時には「よかったね!」「がんばったもんね!」「すごいね!」などと、共感してあげることが大切です。
それを・・・
「あれは簡単な曲だから弾けて当然だよ」とか「どれだけの期間かかってできるようになったことかね~」とか「確かあの曲は〇〇ちゃんはもうとっくに終わってるよね」などと言われたらお子さんは・・・
「よし!これからもピアノの練習がんばるぞ!早速今から練習だ!」と、なるでしょうか(笑)
先ほどの言い回しはお母さん自身、お子さんにかける期待が大きすぎたり、お母さん自身が子どもの頃やっていたことと比べてしまったりした場合にそのように言ってしまうということが多いように思います。
そして、そのように言うことによって子どもの気持ちを奮い立たせようとされるのかもしれませんが、これは全くの逆効果です。
あえて厳しく言うことでやる気を奮い立たせるという指導方法もあります。
でもこれはその子の性格や厳しく言う側の一貫性、信頼関係、厳しく言う時の言葉の選択など、厳しい中にも愛情が伝わらなければならないものだと思っています。
厳しく育てるということは褒めて育てることよりも難しく、ある意味とてもデリケートなものだと思います。
先ほどの言い回し。
愛情を感じますか?
私は感じません。
これでは練習への意欲がなくなってしまうのは当然です。
たとえ誰もが弾けて当然と思えるような曲であったとしても、仕上がるまでにどれだけの期間がかかったとしても、練習しなければ弾けるようにはなりません。
練習したから弾けるようになったんです。
そして、ピアノに限らずどんなことでも誰かと比べられるほど苦痛に思うことはありません。
これは子どもに限らず大人だって苦痛に思うはずです。
だから。
”練習した” ということと、”練習した結果弾けるようになった” というありのままのことを褒めてあげて欲しいです。
ピアノが好きだから練習をする。
ピアノが弾けるようになりたいから練習をする。
誰でもそんな気持ちや思いがあってピアノの練習をするのでしょうが、ある程度の年齢になった大人であればこの思いだけで十分です。
でも子どもの場合、これだけではなかなか練習へのモチベーションを上げることはできないと思います。
家族の人にありのままのことを褒めてもらうことによって、自分が認められていると感じられること。
「よかったね!」「がんばったもんね!」「すごいね !」
子どもにはこの言葉が一番の励みになり、少しずつ自信をつけていくことにもつながっていくと思います。
ピアノの上達は冒頭でお話した通り練習することです。
その練習をするモチベーションは家族の人の接し方次第で上がると言っても過言ではないと思います。