ピアノの練習に音階の練習は必要か ~その2 音階練習の活用法と音階を覚えることのメリット~

こんにちは♪

前回では音階の練習のことをお話ししました。
前回でもお話ししましたが、ピアノを習うのであれば絶対に音階の練習をやらなければいけないとは思いません。
簡単な楽譜が読めて弾けてそれだけで十分という子もいれば、そこまではやりたくないという子もいるかもしれません。
本当に様々だからです。
でも音階をマスターするとその後のレッスンにいくつか良い影響が出ることが分かりました。
今日は音階が弾けるようになった後のレッスンでの活用法や、私が思ったメリットなどをお話したいと思います。

 

音階をマスターした後のレッスンでの活用法

長音階と短音階24個の音階をマスターして弾けるようになったら、今度はそれをいろいろな形でレッスンしてみます。

 

音階が弾けるようになったら今度は少しずつ暗譜してみる。

暗譜の練習です。
前回でもお話しましたが、音階は指使いが一つでも間違うと上手く弾けません。
また、調子記号も付け忘れると正しい音階になって聞こえません。
ノートを見ながら正しく弾けるようになったら今度はそれを暗譜で弾けるようにしてみます。

まずは長音階から、ノートで覚えた調の順番です。
そして、調の名前と調子記号の数を言ってから弾くようにします。

暗譜するのは、もしも始めの3つが暗譜できたら「今度はその続きを頑張ってみてね」というように、その子が覚えられるペースに任せるようにします。

長音階が暗譜できたら今度は短音階の暗譜です。
短音階は、自然的短音階、和声的短音階、旋律的短音階の3つを続けて弾くようにします。
これもその子のペースに合わせて。

調の名前、調子記号の数、そして音階を暗譜で弾くということはなかなかとても大変なことです。
なので、次までにいくつとこちらから指定するのではなく必ずその子のできる範囲にすることと、絶対に早く弾かないことが大切だと思います。
「ゆっくりと正確に」です。

 

暗譜して弾く順番を変えてみる。

ノートで覚えた順番にすべての音階が暗譜できたら、今度は暗譜で弾く順番を変えてみます。
例えば、ハ長調→イ短調、ト長調→ホ短調、といった具合に平行調のペアで順番に弾いていったり、ハ長調→ハ短調、ト長調→ト短調と、同主調のペアで弾いてもいいと思います。
長音階をハ長調→変ニ長調→ニ長調、短音階をハ短調→嬰ハ短調→ニ短調、といった具合に半音ずつ登っていく順番にしてみたり、またはこちらからランダムにいろいろな調を言ったものを弾いてみるのもいいかもしれませんね。

 

移調奏をやってみる。

たとえば簡単なメロディーを移調して演奏することにより、様々なメロディーの表情を感じとることができます。
私がよく使うのは誰でもが聴いたことのある親しみのある「ききらぼし」のメロディーです。
始めはハ長調で、これをト長調、ニ長調、イ長調・・・と順番に移調していきます。
12種類の明るい響きのするきらきらぼし。
同じきらきらぼしでも12通りの明るさがあります。

子どもたちがびっくりするのが暗いきらきらぼしです。
12個の短音階に移調してきらきらぼしを弾くと、「きらきらぼしの元気がなくなったみたい~」と、移調奏に興味をもってくる子もいます。

そして興味をもった子にはそこから音程へと話を進め、和音構成のしくみに入っていきます。
きらきらぼしであればⅠ、Ⅳ、Ⅴを覚えれば簡単な伴奏づけも可能です。
これもまずはハ長調から。
メロディーを移調することに興味を持った子は伴奏である和音の移調にも積極的に取り組みます。

さらには、その左手の和音を分散させたりして伴奏の形を変えてみたり。
中には右手のメロディーを変奏してアレンジしてくる子もいます。
まさにモーツァルトの「きらきら星変奏曲」みたいですね。

その子の興味の持ち方によってレッスンの内容は広がっていきます。

これまでお話ししてきた音階の練習をマスターした後のレッスンでの活用方法は、まだまだ他にもたくさんの活用方法があると思いますので、これは今後も私自身の課題としてもっと工夫していきたいと思っています。

 

音階をマスターしたことによるメリット

これは私が実際に子どもたちを見ていて感じたことです。
全ての子に共通することではありませんが、音階をマスターしたことによって少なくともピアノの練習に良い影響がでてくることに間違いはないと思います。

 

譜読みの段階で音の読み間違いが少なくなる、譜読み自体が早くなる。

例えば・・・
新しい曲の練習にとりかかります。
ト音記号の横に、シャープが一つついています。

音階をマスターしていないとまず調子記号のところで何の音の場所にシャープがついているのかを読まなければなりません。
これだけでも少々負担です。
なんとなくその子のセンスで調子記号を落とすことなく弾いてしまう子もいますが、大抵の子は音階練習によってその調の響きに耳が慣れていないせいもあるため、調子記号のシャープをつけ忘れていたり、忘れていてもそれに気が付かないことが多いです。

それに比べ、音階をマスターしていればその曲が何調であるかすぐに判断できます。
そして調子記号のところにシャープが一つということは、ファの音にシャープをつけなければいけないなとすぐに分かります。
音階の練習でその調の音階を弾いているので、曲の練習でシャープをつけ忘れることが少なくなります。
つけ忘れたとしても、それに気が付くことが多いです。

 

1の指(親指)を早く上手く使えるようになる。

ピアノを習いたてのころは、まず少ない音域で5本の指だけでポジション移動せずに弾けるようなものから始めると思います。
そして、だんだんと音域が広がっていき1の指をくぐらせたり、1の指を越えたりという動きが入ってくるようになります。

もし早い段階で音階の練習に入ることができれば、曲の中に指越えや指くぐりが新しく出てきてもスムーズにこなしていくことができると思います。

そして1オクターブの音階を丁寧に弾く練習をすることによって、それぞれの指の特徴を知ったり、10本の指の力や使い方をコントロールすることもできるようになります。

 

音階の暗譜の練習は記憶する練習、脳トレにもなる。

長音階、短音階の練習で暗譜のことをお話ししましたが、これは「記憶する」練習にもなると思います。
始めは調子記号が一つづつ増えていく順番で暗譜しますが、これは比較的覚えやすいです。
でも、主音が半音ずつ上がっていく順番ではシャープ系の調とフラット系の調が入り交ざるため、少し複雑になってきます。
また平行調での暗譜はあえて私の方からは説明しないのですが、暗譜で練習しているうちにその関連性について発見できる子もいます。
こうなると暗譜は断然早いです。
このようにいろいろな順番で暗譜することによって、記憶の仕方が変わってきます。
これは脳のあらゆる部分を使って記憶することになり、脳トレにもなると思いました。
私は脳科学者ではないので断言はできないですが・・・
でも記憶しているときの脳はフル回転していると思います。

また、暗譜で弾くことができなくても前回お話しした、白鍵と黒鍵の組み合わせによって違ってくる指使いを一緒に考えるだけでも相当な脳トレになっていると思います。

 

子どもにとって退屈なレッスンにならないように。

音階練習をすることのメリットをたくさんお話ししましたが、メリットがあればデメリットもつきものです。

音階練習、音階を習得することについてのデメリットは一つもないと思います。
でも一つだけ挙げるとすれば、子どもにとって退屈なレッスンになってしまう可能性が高いということでしょうか。
指使いを考えたり、時には理論的な話が入ってきたり・・・
なるべく堅苦しく退屈なものにならないようにレッスンの仕方を工夫することも大切なことだと思っています。

音階の練習。
前回と今回の2回に渡って音階のことについてお話しさせていただきました。
賛否両論かと思いますが、レッスンの中での子どもたちの変化や発見などの経験から音階の練習は可能な限り取り入れるべきだと思い実践しています。

また新たな発見があったらお話ししたいと思っています。
最後まで読んでくださりありがとうございました。

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