授業始め ~バスティン先生のお気に入り レベル1~

こんにちは♪

第27回 グレンツェンピアノコンクール 地区大会、小学5・6年Aコースの課題曲になっている ”授業始め” 。
気が付いたことや感じたこと、練習するときに気をつけたいことなどをまとめてみました。

授業始め

ト長調、8分の6拍子、
Happily (しあわせそうに)

A(1小節目~8小節目)
B(9小節目~12小節目)
A(13小節目~20小節目)

寒く長い冬が終わり、桜が咲く季節。
新しい学年になった喜び、新しい友達との出会いに子どもたちが心を躍らせる様子が伝わってきます。

 

楽しく歌ってみよう!

メロディーに歌詞のついている楽譜は、”歌う” という点でとても良いと思います。
どんな曲でもピアノで演奏するメロディーは ”歌う” ことが大切で、声に出して”歌う” ことによって美しい、そして自然なフレーズ感が養われるからです。

この曲についている歌詞。
どのように歌うと自然な流れになって聴こえてくるでしょうか。

まずは楽しく歌ってみることだと思います。

スラーがかかったフレーズを、息つぎをしないでひとまとまりに。
スラーのかかっている最後の音は短くなってしまわないように気をつけて。
また、どのくらいのテンポで歌うと、この曲のイメージにピッタリとくるでしょうか。

 

8分の6拍子のとらえ方

この曲は8分の6拍子ですが、”123456” と、1拍ずつ感じて演奏するのではなく、 ”123”で1拍、 ”456” で2拍、という具合に大きく2拍子で捉えて演奏するようにします。
そして、その2拍子を1拍目が ”強” 、2拍目は ”弱” で進むようにすると拍感が感じられる演奏になります。
ですが、フレーズの造りによってはそれが不自然に聴こえてしまう場合もあるので注意が必要です。

それを踏まえた上でもう一度歌ってみると、この曲にふさわしいテンポ、またフレーズをどのように歌ったら良いのかが見えてくると思います。

楽譜にかわいらしい挿絵がありますね。
一列に並んで楽しそうに、学校へ通うところでしょうか。
新学期に心弾ませ、学校に向かう子どもたち・・・
決してのろのろと退屈そうには歩かないと思います。

私が感じたこの曲にふさわしいテンポは、ゆっくりでもなく、速くもなく普通に歩いている時の足の動きをこの曲の2拍子に当てはめると心地よいテンポになるのではないかなと思いました。

そして歌詞がついている3、4小節目、7、8小節目、15、16小節目の部分は、前述した2拍子を ”強弱” と捉えるのではなく、フレーズの始まりの ”ラ” の音は2拍目の ”レ” の音に向っていくように。最後の19小節、20小節目はフレーズ始めの ”レ” の音から元気に歌いだすようにすると、自然な流れとなって聴こえると思います。

 

A(1小節目~8小節目)

Aの部分は1、2小節目と3、4小節目と5、6小節目と7、8小節目のそれぞれ2小節にどのような効果があるのかを考えながら弾いてみると退屈しない楽しい演奏になると思います。

1、2小節目は流れるようなきれいなハーモニー。
3、4小節目はメロディー。
5、6小節目は左手の音を右手が真似て繰り返しています。
7、8小節目はメロディー。

このグループをAとして、どのようにまとめたら良いでしょうか。

1、2小節目はメロディーではなくきれいなハーモニーとして演奏します。
f(強く)の記号が記されています。
”強く弾かなければ” と思い、一つ一つの音を強く弾いてしまいがちになると思いますが、ここは一つ一つの音を強く主張するのではなく、ダンパーペダルを使ってスラーでくくられたそれぞれの音が上手く響き合って一つのハーモニーとなって聴こえるように、またそのハーモニー全体が f となって響いてくるように工夫したいところです。
明るく元気な f で、そして音がだんだん上がっていっているところに前向きな気持ちだったり、希望に胸を膨らませているようなイメージを感じます。

そして次の3、4小節目で右手にメロディーが出てきます。
メロディーは初めに声に出して歌う練習をしたように、自然な流れになるように。
左手の伴奏は長さが短くなりがちなので、8分音符3拍分の長さをきちんととるように。

5、6小節目は、5小節目に出てくる左手で弾く音を、6小節目で右手が同じように1オクターブ高い所で模倣しています。
ここは大きく2拍子で ”強弱” と、捉えて拍感を感じ、スタッカートは楽しそうに弾むように奏するといいですね。

スタッカートと言うと鍵盤の上方から手を落とすようにして弾く子がいますが、このやり方だと音に響きがなく少々乱暴な感じにも聴こえてしまいます。
手は楽な状態で鍵盤の上に置いておいて、そこから鍵盤の底をしっかりと感じるように瞬間的にパッっと跳ねるようにすると響きのあるきれいなスタッカートになると思います。
8分音符についたスタッカートなので、重たくならず軽快な感じに。
また、パッっと跳ねた時の手はあまり高く上げすぎないようにすることにも注意が必要です。

ところで、ここの部分には歌詞がついていませんね。
私は何か歌詞をつけて楽しんでみるのもいいのかなと思いました。
例えば、弾むような気持ちを込めて ”ラン ラン” とか、楽しみだという気持ちを込めて ”ワクワク” ”ドキドキ” など。
そうすることによって、スタッカートのイメージがより鮮明になってくると思います。

7、8小節目は、3、4小節目と同じく右手のメロディーです。
同じくよく歌うことを忘れないように。

 

B(9小節目~12小節目)

A の 1、2小節目に出てくるのとは対照的に、今度は mp で、音も高い所から下がっていく形になっています。
Bは初めのA(1小節目~8小節目)と、この後に再度出てくるA(13小節目~20小節目)との間にある中間奏のような感じがします。
1、2小節目は f で元気で明るく。
そして、Bの4小節では雰囲気を変えて、少し柔らかめのタッチで音色にも工夫をすると変化があって良いのではないでしょうか。
ただし、mp なので音量が小さくなりすぎないように。

通学路に咲いているきれいな桜。
そよそよと風に吹かれて、桜の花びらがヒラヒラと舞う光景が思い浮かびました。

 

A(13小節目~20小節目)

桜の花びらが舞う道も過ぎ、再び学校への道のりを歩き出します。
始めのAと同じく、元気よく!

20小節目の最後の音は一番元気があってもいいのかなと思います。
そして、縦に並んだ4つの和音のうちの一番上の ”ソ” の音を少し際立たせるようにすると、より引き締まった終わり方になると思います。

20小節目はダンパーペダルを使いますが、踏むときのタイミングによっては19小節目の最後の ”ラ” の音と、20小節目最初の ”ソ” の音が混ざってしまう場合があるので、ここは二つの音が混ざって聴こえることのないように音をよく聴きながらペダルを踏むことが大切です。
また、ペダルを踏むときに上体がきちんと支えられていないと指の方にアクセントがついてしまい、スラーでつながった最後の音が大きく響きすぎてしまうので注意が必要です。
上体をしっかりと支え、スラーの最後の音は飛び出ることがないよう、丁寧に終わるように心がけたいですね。

ペダルを離す時には最後のスタッカートのついた音が長く響きすぎてしまわないように、ペダルを離すタイミングにも気をつけたいところです。

20小節目をよく見てみると6拍目は8分休符になっています。
ペダルを離すタイミングが良くないと、この8分休符がある6拍目も音が響いてしまい、なんとなく締まりのない終わり方になってしまいそうです。

始めはペダルを無しで、6拍目の8分休符までをきちんと意識して弾いてみます。
ペダルが入っていない状態では最後の音はマットな感じにスタッカートで響いているように聴こえると思います。
次にペダルを入れて弾いてみます。
最後のスタッカートの音はペダルを無しで弾いていた時のマットな感じの響きに少し響きを足してあげるようなイメージで、ペダルをタイミングよく離してあげるようにすると上手くいくと思います。

ここの部分は歌詞が ”ヘイ!” という掛け声になっています。
ペダルを離すタイミングが上手くいかないときは、この掛け声を言いながらやってみるとイメージがつかみやすいかもしれません。

 

さいごに・・・

ピアノの演奏の解釈は様々なので、ここに書いたのはあくまでも私自身が感じたこととして受け止めていただきたいと思います。

たくさんのことを書いてしまいましたが、どれだけのことができるか。
これにはかなりの個人差があります。

教える側からしたらあれもこれもとたくさんのことを要求してしまいがちなのですが、そうではなく生徒さんのペースに合わせてできることから少しずつ進めていくこと、そしてここに書いたこと全てができたら良くて、そうでなければ良くないということではなく、一つのことができるようになったことに対して認めてあげること。
その過程を大切にして、レッスンをしていきたいと思っています。

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