Skip to My Lou ルーとあそぼう ~バスティン ピアノ ベーシックス ピアノ(ピアノのおけいこ)プリマ―Pレベル

こんにちは♪

第28回 グレンツェンピアノコンクール 予選、幼児Aコースの課題曲。
曲名 Skip to My Lou ルーとあそぼう
曲集 バスティン ピアノ ベーシックス ピアノ(ピアノのおけいこ)プリマ― Pレベル

気が付いたことや感じたこと、練習するときに気をつけたいことなどをまとめてみました。

 

Skip to My Lou ルーとあそぼう

ハ長調、4分の2拍子、Lively(たのしそうに)

前半(1小節目~8小節目)
1小節目~4小節目 → a
5小節目~8小節目 → b

後半(9小節目~16小節目)
9小節目~12小節目 → a
13小節目~16小節目 → b’

この曲の題名に出てくる ”Lou” について調べてみました。

Louis、Louisa、Louiseの愛称
(男性または女性の名、男性はLouisの愛称、女性はLouisa、Louiseの愛称)

Weblio 英和辞典・和英辞典より

歌詞の中に ”ぼくのかわいいルー” となっていることから、男の子がかわいい弟、もしくは妹に向けて歌っているのでしょう。

楽譜に ”Lively(たのしそうに)” と、書いてあるように楽しく歌を歌ってみるのもいいですね。
また、手拍子をしながら歌ったり、足踏みをしながら歌うとさらに楽しく、曲にふさわしい自然な流れのテンポ感が養われると思います。

就学前の幼児の子の場合、とにかく楽しいレッスンになるように、楽しい中で音楽が身についていくように心がけることはとても大切なことだと思っています。

 

正しい場所に手を置くこと

正しい場所に手を置いて演奏前の準備をすることと、全部で88鍵ある鍵盤と五線に書かれた音との関連付けはとても大切です。
まだ今は出てくる音の数は少ないですが、教則本など進んでいくにつれて音の数はどんどん増えていきます。

まずは真ん中のドの場所をきちんときちんと覚えることから。

出てくる音の数が増えていき、ある日突然迷ってしまうことのないように、鍵盤と五線の音との関連付けは今からきちんと覚えて、いつもそれを意識した練習を心がけたいものですね。

 

フレーズを意識する

楽しく歌ってみるということを前述しましたが、その時にフレーズを意識して歌うことは重要です。
ただ、幼児の子の場合は歌を歌う時に長く息を使うことがまだできない子が多いと思います。
この曲を歌った場合、たぶん2小節歌ったところで息継ぎをしてしまうかもしれません。
そして、ピアノで弾く場合も2小節目から3小節目に移る時に音と音が切れてしまう場合が多いと思います。

この曲は、始めから最後まで4小節ひとまとまりのグループになっていて、それが前半8小節のフレーズ、後半8小節のフレーズとなっています。
そのことをよく分かって演奏することができるように、まずは4小節ひとまとまりで歌ってみること。

既に練習に入っており、フレーズをとって弾くことが難しい場合、まずは歌ってみることをお勧めします。
そして、”歌う時と同じように” というのを心がけるようにすると随分弾きやすくなると思います。

歌は、楽譜に書いてある歌詞を楽しく歌うことだけでなく、ドレミで歌ってみるのもいいですね。

 

音をよく聴く

この曲はメロディーのみを右手と左手の両手で演奏するスタイルです。
こういったスタイルの曲で気をつけたいのが、右手から左手、左手から右手へと移る時です。
フレーズを意識して歌えるようになり、歌と同じように弾こうとしても全然関係ないところででブレスが入ってしまうのは、手が移る時に多いかもしれません。

また、ブレスが入らずに移ることができていても、移ることによって不自然なアクセントが入ってしまうなど、ぎこちなくなってしまいがちです。
右手から左手へ、左手から右手へ移る時にはメロディーが自然な流れとなって聴こえてくるように音をよく聴きながら演奏することが大切だと思います。

移る時以外にも、3小節目(その後に出てくる7、11小節目も同じです)のように同じ音が続いているところも気をつけたい箇所です。
3小節目は ”4分音符→2つの8分音符” というリズムになっていますが、4分音符が短くなってしまったり、スタッカートのように跳ねてしまうことのないように、1拍分の音の長さを十分にとっていきたいところです。

3小節目は音量のバランスにも気をつけて。
4分音符の音量が小さくなってしまうと、次に出てくる2つの8分音符の方が大きな音量になってしまいバランスが悪く、この8分音符は手に力が入っていると音量が大きくなってしまうだけでなく、ひきつったように跳ねてしまう感じになってしまいます。

1、2小節目の2分音符の音量からのバランスも考えながら、3小節目の4分音符は若干大きめに(アクセントほど大きくなってしまわないように注意)、そして8分音符では少し力を抜いて弾くようにすると、きれいなバランスに仕上がると思います。

それから、4、8、12小節目の2分音符は次に出てくるメロディーに急ぐあまりに、短くなってしまいがちです。
この2分音符の長さが短いと、曲全体がせかされたように慌てた感じに聴こえてしまいます。
2拍以上のばすのはダメですが、2拍の長さを十分に聴き、感じとって弾くことによって曲全体のまとまりが変わってきます。

16小節目の最後の2分音符も2拍の長さをよく聴くようにします。
ここは2拍の長さを1、2と数えてから鍵盤を上げるように、落ち着いて終わることができるといいですね。

 

曲に合ったふさわしいテンポで

いろんなテンポで弾いてみて、この曲にピッタリとくるテンポを子どもと一緒に考えてみるのも楽しいです。
私が想像するこの曲のテンポは・・・
日常歩いているような普通に足踏みをした時の速さよりも、少しだけ早めに足踏みをした感じの速度でのテンポです。

子どもに適切なテンポをいきなりこちらから提示するのではなく、どんなテンポがこの曲にはふさわしいのか、いろんなテンポを体験してみるのも良い練習になり、想像力が膨らむと思います。

「○○ちゃん、ピアノの椅子から降りて足踏みをしてみようか」

すると子どもは多分、日常歩いている時のようなテンポで足踏みすると思います。

その足踏みのテンポに合わせて、曲を弾いてあげるようにします。

「じゃあ、さっきよりももっとゆっくりと足踏みしてみて」

そのゆっくりな足踏みに合わせて、曲を弾いてあげます。
子どもはどんな風に感じるでしょうか。
ゆっくり足踏みすること自体、違和感を感じるかもしれません。

「今度はちょっと速く足踏みしてみるよ!」
これは明らかに曲にふさわしいテンポではないですが、あえて足踏みの速さをランニングするときの速さくらいまでの速いテンポでやってみます。

それに合わせて曲を弾いてあげると大抵の子は曲にふさわしくないテンポであることに気が付くと思います。
「な~んか、おかしいね~♪」
と、子どもから笑いが出てくるかもしれません。

こんな体験の中で、曲にふさわしいテンポを子ども自身で感じとっていくのだと思います。
この他にも、1212と言いながら足踏みをしたり、足踏みをしながら歌ってみる。
手拍子をしながら歌ってみるのもいいですね。
テンポがゆれることなく最後まで弾けるようにするには、足踏みや手拍子など体でテンポを感じる練習が効果的のように思います。

そして、演奏は子ども自身が選んだテンポ設定を優先してあげて、もしもそれが曲と明らかにかけ離れたようなテンポであった場合には、その時にアドバイスをしてあげるのが良いと思います。

 

最後に・・・

ピアノの演奏の解釈は様々なので、ここに書いたのはあくまでも私自身が感じたこととして受け止めていただきたいと思います。

たくさんのことを書いてしまいましたが、就学前の幼児の子にどれだけのことができるか。
これにはかなりの個人差があります。

教える側からしたらあれもこれもとたくさんのことを要求してしまいがちなのですが、そうではなく生徒さんのペースに合わせてできることから少しずつ進めていくこと、そしてここに書いたこと全てができたら良くて、そうでなければ良くないということではなく、一つのことができるようになったことに対して認めてあげること。
その過程を大切にして、レッスンをしていきたいと思っています。

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