バイエル44番

こんにちは。

今日はバイエル44番を詳しく見ていこうと思います。

バイエル44番

【練習の前に確認しておきたいこと】

・4分の4拍子
・ハ長調
・ポジション移動なし

 

ねらい

バイエル44番は ”いろんな長さの音符を正確にとる” というのがねらいだと思います。

楽曲には必ず ”拍子” があります。
拍子は曲中にリタルダンド(だんだんゆっくり)やアッチェレランド(だんだんはやく)などのの指示がない限り、その曲にふさわしいテンポでほぼ一定のテンポをたもっていかなければなりません。

この曲を練習している生徒さんを見ていると、大切な ”拍子” のことを忘れてしまい、書かれている音符の長さだけにとらわれてしまうため正しいリズムで弾くことができず、不規則なリズムになってしまっている人が多く見受けられます。

リズムをとるのが苦手と言う生徒さんは一定のテンポで拍子をとることをしないで、楽譜に書かれている音符だけを優先してしまうようです。

そうではなくて、まずは拍子をしっかりと捉えること。
始めから曲に指定されたテンポでなくていいので、自分で考えることができるゆっくりなテンポで4拍子の1234のテンポを一定に数えることです。

音符は、その1234の拍子の上にのっかっているというイメージです。

この曲に出てくる音は最後の3小節を除いてはすべて ”ドレミファソファミレ” の繰り返しです。
練習の仕方はいろいろあると思いますがいきなり弾くのではなく手は膝に置いて、まずは声に出して1234と同じテンポで数えながら始めから最後まで楽譜を目で追ってみてください。

そうすると、全音符から始まり2分音符、4分音符、8分音符の ”ドレミファソファミレ” をどのように弾いていったらいいのかが見えてくると思います。

イメージができたら今度は1234と声に出して数えながら実際に弾いてみます。
声に出して1234と数えながら弾きにくいところがもしあったら、そこの部分をよく練習するようにします。

大抵の人は始めは難なくリズムがとれますが、16小節目の4分音符から17小節目の8分音符に移るときにリズムが崩れがちになると思います。
1234と数えながら全音符は4拍のばし、2分音符は2拍、4分音符は1拍なのに対して、8分音符は1拍数える間に2つの音符を弾くことになります。
このことに気を付けていないと1234と数えるテンポが17小節目の8分音符のところだけ早くなってしまったり、遅くなってしまったりしてしまい、結果8分音符のリズムが崩れてしまうことになるのです。
8分音符のところになっても1234と数えるテンポを変えることなく、1拍に2つの音符が入るように弾くことを心掛けて、できるようになるまで練習することが大切です。

そして20小節目の8分音符から21小節目の4分音符に入るときも、1234のテンポが変わらないように数えて今度は1拍に1つずつの音符を入れるように気を付けます。

数えながら弾くことに慣れてきたら、メトロノームを使って練習するのもいいと思います。

 

音のつぶをそろえる

”音のつぶをそろえる” とよく言ったりしますが、これは ”音の大きさや音の質感をそろえる” ということです。
”ドレミファソファミレ” と弾くには右手は12345432、左手は54321234の指を使います。
この5本の指を使って音のつぶをそろえるには当たり前のことなのですが、どの指も均一に鍵盤を押さえることができればいいのです。
でも、それが難しい・・・

どうやったら指は均一になるのでしょうか。
簡単にできるものではないですよね。

それにはまずは、自分で弾いている時の音をよく聴くことだと思います。
弾いた音が合っているか違っているかだけのために音を聴くのではなく(それももちろんなのですが)、弾いた音がどんな風に鳴っているかということに耳を傾けるようにすると、例えばある一つの音だけがほかの音よりも極端に飛び出て大きく聴こえてきた場合、次に弾く時にはその音を弾く指は自然とコントロールされると思います。

そうやって何度も弾いているうちに音のつぶはだんだんとそろってくると思います。

 

指はなるべく余分な動きをしないように

この44番の曲は、右手も左手も5つの音しか出てこないので、右手も左手も5本の指をドレミファソの鍵盤の上に置いておけば、そのままのポジションで最後まで弾くことができます。

以前に投稿したバイエル教則本を効率よく練習するの中でもお話しましたが、ポジション移動がないにもかかわらず、一つの音を弾くたびに手の形が極端に変わるような弾き方をしている場合、前述した ”音のつぶをそろえる” という課題を実現するには程遠くなってしまいます。

ピアノの鍵盤を押さえるのにどれだけの力が必要でしょうか。
レッスンで見ていると一つの音を出すのにものすごく力を込めて弾いている生徒さんがいます。
指や手首、腕や肩などの筋肉が緊張したような状態です。
こういった弾き方をしている場合、指はドレミファソの鍵盤の上にのっておらず1番の親指は鍵盤の下に落ちてしまっている状態だったり、2番の指を使うと他の345番の指が上を向いていたり・・・

まずは右手も左手も指はドレミファソの鍵盤の上に置いている状態で、必要な音を必要な指だけが動いて弾くようなイメージで。
その時に肩や腕は緊張しないようにリラックスした状態で、鍵盤を押さえるときに瞬間的に手首に力を入れないように、打鍵している指以外の指も余分な力を入れないように。
そうすると今までの弾き方よりも指が動かしにくいと感じたり、音と音が重なってしまったりするかもしれません。
始めのうちは違和感を感じることが多いかもしれませんが、慣れてくると指は少しずつ動かしやすくなってきます。
そして、先ほどの ”音のつぶをそろえる” を心がけると、とてもきれいな演奏になると思います。

バイエルは1番から45番までがポジション移動なしで弾くことができるので、このことに気を付けながら練習を重ねておくと、この先46番以降ポジション移動が出てくる曲も練習がしやすくなります。

指が動かしやすくなるまでに個人差はあるかと思いますが、この練習は生徒さんのレッスンの中でもあきらめずにがんばってほしいと思っていることの一つです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。