バイエル教則本を効率よく練習する

こんにちは♪

今日は ”バイエル教則本を効率よく練習する” ということをテーマにお話ししたいと思います。

ところで、ピアノの練習に必要な教則本。
数えきれないほどたくさんある教則本の中で、どんな教則本を使ったら良いのでしょうか。
導入から展開まで教則本それぞれに特徴や目的があり、これには教える側の教則本に対する解釈の違いや、教わる側の理解度や練習の仕方などによって様々で、私自身も ”是非、この教則本がお勧め” と、言い切ることができません。
もしかしたら ”これが一番の教則本です!” という一つの答えはないのかもしれません。

”先生が選んでくださった教則本を一生懸命に練習する”
その中で新しい発見があったり、時には苦労しながらピアノの演奏の技術や表現力を身につけていきながら上達していくのだと思います。

とても分かりやすい言い方をすると、有名なピアニストが練習していた教則本と同じものを練習すれば同じようにピアニストになれるかというと・・・
ちょっと極端な言い方だったかもしれませんが(笑)

自分が弾きたいと思っている憧れの曲とは違い、教則本は「楽しくない。」 とか 「なかなか進まない。」さらには 「途中で挫折してしまった。」ということをよく聞くことがあります。
どんなことでも努力なしで成し遂げることはできません。
でも、練習の仕方によっては努力を重ねてもなかなか上手くいかないことがあるのがピアノの練習です。

そして、なかなか上手くできないと ”楽しくない” とか ”自分には向いていないのではないか” と感じてしまい、そうなれば当然練習する意欲も薄れて先へ進めなくなり、途中で挫折してしまう結果になってしまうのだと思います。

なかなか思うようにならないから楽しくないのであって、楽譜の見方や練習の仕方を工夫することによってピアノの練習はきっと楽しくなるはずです。
それに、思うように弾けるようになれば今まで気がつかなかったバイエルの美しいメロディーにだって耳を傾けることができます。

 

 

バイエル教則本で練習する内容

バイエル教則本(以降、バイエル)は、全部で106番まであります。
とても基本的なことばかりなのですが、バイエル106番までがどんな風に作られているかを簡単にまとめてみました。

調性

バイエルに出てくる曲の調性はハ長調、ト長調、ニ長調、イ長調、ホ長調、へ長調、変ロ長調、イ短調の8つです。
これらの調性がどれくらいの割合で出てくるのかと言うと・・・
1番のテーマと12個のバリエーション、2番のテーマと8つのバリエーションも含めて全126曲の調性の数を数えてみました。

転調がないもの
ハ長調 74曲
ト長調 29曲
イ短調 4曲
ニ長調 1曲
イ長調 1曲
へ長調 5曲
変ロ長調 1曲

転調があるもの(転調とは曲の途中で調性が変わることです。)
ハ長調ート長調ーハ長調 1曲
ハ長調ーイ短調ーハ長調 1曲
イ短調ーハ長調ーイ短調 2曲
ト長調ーニ長調ート長調 1曲
ニ長調ート長調ーニ長調 1曲
イ長調ーニ長調ーイ長調 1曲
ホ長調ーイ長調ーホ長調 1曲
へ長調ーハ長調ーへ長調 3曲

いかがですか?
こうして見てみるとハ長調とト長調の数がとても多いことが分かります。
そして、1番から69番までに出てくる調性はハ長調、ト長調、イ短調の3つですがト長調とイ短調については調号を使わずに書かれており変化音自体も出てこないので、1番から69番までは白鍵のみで弾くことができるということになります。


音階の練習

長音階12個、短音階12個、合計24個の音階の練習をすることはとても大切なことです。
24個の音階練習が難しい場合には、バイエルに出てくるハ長調、ト長調、ニ長調、イ長調、ホ長調、へ長調、変ロ長調、イ短調の8つの調だけでも音階を弾けるようにすることはお勧めです。
そして、例えばト長調の曲を練習するのであればト長調の音階を弾き、ト長調の響きの感じをよく聴き取ってから曲の練習に入るようにすると ”変化記号(♯や♭)の付け忘れをしていても気がつかない” といったことがなくなると思います。

ピアノの練習に音階の練習は必要か ~その1 音階練習の仕方~
ピアノの練習に音階の練習は必要か ~その2 音階練習の活用法と音階を覚えることのメリット~

 

拍子と音符や休符の種類

1番から51番までに出てくる拍子はほとんどが4分音符を1拍とする4分の4拍子と4分の3拍子。
その中でも4分の4拍子が一番多く、その次に4分の3拍子、4分の2拍子は2曲のみです。

そして、52番で新しく8分音符を1拍とする8分の6拍子、59番で8分の3拍子が出てきます。
52番から106番までの間に、8分の6拍子は6曲、8分の3拍子は7曲、その他は先ほどと同じ4分の4拍子や4分の3拍子、4分の2拍子です。

音符や休符の種類については1番から43番までに出てくるのは4分音符、2分音符、付点2分音符、全音符、4分休符、2分休符、全休符で複雑なリズム構成のものは出てきません。
なので、43番までは4分音符を1拍として2拍子なら1212、3拍子なら123123、4拍子なら12341234と数えながら4分音符(1拍)、2分音符(2拍)、付点2分音符(3拍)、全音符(4拍)、4分休符(1拍)、2分休符(2拍)、全休符(1小節分)それぞれの長さを正しくとる練習を心がけるようにすると、”リズムが難しくて弾けない” ということにはならないと思います。
拍を数えながら弾くことは初めは難しいと感じるかもしれませんが、自分で理解できるテンポでゆっくりと根気よく練習を重ねることによって、だんだんとできるようになってきます。

このように丁寧に43番までの練習をすることによって、44番で初めて1拍を2分割する8分音符、74番で1拍を3分割する3連符、86番で1拍を4分割する16分音符が出てきますが、スムーズにリズムがとれるようになります。

また、48番では付点4分音符と8分音符の組み合わせのリズムが初めて出てきます。
このリズムは他の楽曲でもよく出てくるリズムです。
一見難しそうに感じますが、付点4分音符と8分音符の長さをよく理解して丁寧に練習をすると、以降バイエルで同じリズムが出てきたり、他の楽曲に出てきたときにもスムーズにリズムをとることができるようになると思います。

 

楽曲の形式

バイエルの中で最も多く使われている形式は2部形式です。
その他にも1部形式や3部形式、また2部形式や3部形式にコーダーがついたものがあります。

楽曲の形式とは、その曲がどんな構造になっているのかということ。
簡単に言うと、曲が始まりこのメロディーはどこで区切りになっていて、どこから曲の雰囲気が変わっているかなど、曲全体の構造を知るということです。
学校の国語の時間に文章の段落分けをやったことがあると思いますが、これと似ていると思います。

1部形式、2部形式、3部形式は楽曲の中でも規模が小さく、これらを発展させたさらに大きな規模の形式を理解する上で重要になってきます。

 

手や指の使い方

これまでは曲の構成に関することを書いてきました。
それを実際に手や指を使ってピアノの鍵盤を押さえて演奏するわけですが、バイエルがなかなか上手くいかない生徒さんを見ていると、手や指を上手く使えていない子が多いように見受けられます。

”手や指を上手く使えていない” とはどういうことか。
例えば、1番から45番までについては右手も左手も隣り合った5つまでの音しか出てこないので、ポジション移動を全くすることなく弾くことができるということになります。
にもかかわらず、一つ一つの音を単独で弾く(一つ一つの音を弾くたびに手の形や指の形を極端に変えている)ようにしている生徒さんが多いのですが、見ているとこれはとても効率が悪いです。
効率が悪いとは、一つの音を弾くたびに手の形や指の形を変えることによってミスタッチを招いたり、不必要なアクセントがついてしまったりして、その結果弾けるようになるまでに余計な時間がかかってしまうということです。
そして、そのような弾き方の場合フレーズがきれいに聴こえてくることはありません。

このような弾き方になってしまうのには、指が独立されていないことが原因の一つに挙げられると思います。
ある指を動かすと他の指もつられて動いてしまうため、無意識に手の形を変えたりして自分なりに弾きやすくしている状態です。

1番から45番については、演奏を始める前にまず楽譜に書いてある5つの音の確認をし、そして5本の指を鍵盤の正しい場所に置いたら、可能な限り指はずっとその場所に、あとは余計な動きをなるべくしないようにして弾くことを心がけるととりあえずミスタッチを防ぐことは可能になります。
その際大きな音で弾こうと思わずに、弾き方を変えたことによって音が小さくなってしまっても気にしないことが大切です。

そうして練習していると、始めは動きにくいと思っていた指もだんだん動かしやすくなってきます。
そして、5本の指の力加減を調整したりしながら聴こえてくる音に耳を傾けることで、なめらかな奏法につながったり、フレーズがきれいに聴こえてくるようになったりすると思います。

 

指番号の必要性を考える

前述したように1番から45番までは右手も左手も隣り合った5つまでの音しか出てこないため、ポジション移動をまったくすることなく弾くことができます。
46番からは少しずつ音域が増えていくのでポジション移動が必要になってきます。
ポジション移動が必要ということは、楽譜に書いてある指番号をきちんと守って弾くことが必要不可欠になってきます。
ピアノの練習をする時に、楽譜に書いてある音は読んでも、それを何番の指で弾くのかということを全く考えないで練習した場合、運良く上手く弾くことはできても限界があります。

バイエルの練習で行き詰ってしまった、途中でリタイアしてしまったという場合の原因の一つがこれだと思います。
バイエルは様々な出版社から出ていて、子供向けのバイエルは大抵1番から43番までが上巻、44番から106番までが下巻となっています。
上巻はポジション移動がまったくないので、最悪手や指のことを考えなくてもとりあえず弾けてしまいますが、下巻に入って同じように考えているととたんに行き詰ってしまうのです。
バイエルを途中でやめてしまった人の大半は下巻に入ってからではないでしょうか。

楽譜に書いてある音からフレーズを読み取り、そのフレーズを自然な形で奏するために指使いは書かれているので、行き当たりばったりの指使いで演奏してしまうとフレーズは自然な形にならないのは当然のことです。
指使いを考えないで楽譜に書いてある音だけを弾く方が近道のように感じるのかもしれませんが、実際にはものすごく遠回りで、もっと言ってしまうとせっかく練習してもそれはものすごく無駄な時間を費やしていると言ってもいいくらいだと思います。

どうしてこの音はこの指番号になっているのかということを常に考えながら練習する習慣をつけることは大切なことです。
指のことを考えながら練習するので、音だけを見て練習するよりも時間はかかります。
でも、この場合にかかる時間はとても有意義なものになります。
そして、指使いのことを考えながら練習した曲は一度弾けるようになるとミスタッチがうんと減ります。
それにプラスして、前述したフレーズのことや、その他にもメロディーと伴奏との音量のバランスや全体の強弱なども考慮しながら練習していくと曲の仕上がりが良くなるだけでなく、弾いている本人も気持ちよく演奏することができます。

 

最後に・・・

ピアノの演奏をするには、一度にたくさんのことを考えなければなりません。
でも、はじめての曲を練習するとなったらいきなりは無理ですよね。

だから、自分が考えることができるものからでいいと思います。
練習をする時には常に自分の中で何か目標を立ててから練習に入ること。
と言うか、そうしなければならないと思います。

「今日は指使いを中心に練習しよう」とか「今日はメロディーと伴奏の音量のバランスを特に気をつけてみよう」など、目標を立てるのです。

そして、自分の立てた目標が達成ができたら、それを実行しつつ次の目標を立てる、といった具合に練習を進めていくうちに、曲はだんだんと仕上がっていきます。

それには焦らない事です。
できなかったからといって、すぐにあきらめない事です。
できなかったことには何か原因があったり、できるようになるまでに時間を要するものなのかもしれません。
自分のペースで良いので、できるまであきらめないでコツコツと積み重ねていくことです。

それでも上手くいかなかったときのためにピアノの先生はいます。
先生から受けたアドバイスは忘れないように覚えておき、それを練習の時の目標にしてまたがんばってみてください。

あれもこれもとたくさんのことを書いてしまいましたが、まだまだ書ききれないことがたくさんあります。
細かいことになると、気をつける点や練習の仕方など曲によって違ってくることもあります。
バイエルについては、今後少しずつですが曲ごとにまとめたものを投稿したいと思っています。

 

バイエル 曲ごとに投稿したものを以下に表示していきます。

44番 45番

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