バイエル48番
こんにちは。
今日はバイエル48番を見ていこうと思います。
バイエル48番
【練習の前に確認しておきたいこと】
・4分の3拍子
・Allegretto
・タイ
・付点4分音符と8分音符のリズム
・左手 Ⅰの和音とⅤの和音
付点4分音符の長さ
右手にバイエルでは初めて見る音符が出てきていますね。
よく見ると4分音符の横に黒い点がついています。
この黒い点は、付点(ふてん)と言います。
4分音符に付点がついているので、この音符の名前を付点4分音符と言います。
付点4分音符はどれだけの長さのばすのでしょうか。
レッスンでも生徒さんに尋ねると正しく覚えていない子が結構います。
付点4分音符の長さは1拍半です。
4分音符の長さは1拍で、これはみんなちゃんと覚えているのに、4分音符に付点がつくとどうも難しく考えてしまうようです。
付点の長さ
音符の横についている付点。
付点の長さはついている音符の長さの半分の長さです。
このことを覚えておくと、付点のついた音符が出てきても長さを間違えることはないと思います。
付点4分音符の長さ=4分音符(1拍)+付点の長さは4分音符の半分の長さ(半拍)
だから付点4分音符の長さは1拍半ということになるのです。
他の音符についても見てみましょう。
付点2分音符。
これは今までにも出てきている音符ですよね。
そう。
付点2分音符の長さは3拍です。
どうして3拍なのかというと。
付点2分音符の長さ=2分音符(2拍)+付点の長さは2分音符の半分の長さ(1拍)
だからです。
このように付点はついている音符の種類によって長さが変わるのです。
付点4分音符+8分音符のリズム
8分音符の長さは半拍です。
8分音符は44番から新しく出てきていて、その後の45、46、47番にも出てきていますが、どれも2つで1拍という形で出てきています。
今回の48番のように付点4分音符と組み合わさり8分音符が1つだけで出てくるのは初めてですね。
付点4分音符+8分音符のリズムは、バイエルだけでなく様々な曲に出てきます。
ここでこのリズムをしっかりと覚えておけば、他の曲で出てきたときにも悩むことなくリズムをとることができます。
付点4分音符+8分音符のリズムをマスターしよう
ピアノを使って練習する前に、まずは音のことは考えずにリズムのことだけに集中してみます。
机の上でリズム練習をして正しいリズムがうてるようになれば、あとはそれに音をのせるだけです。
①声に出して3拍子を数えてみよう
まずは3拍子を声に出して数えてみましょう。
「123123・・・」と数えるのですが、ちょっと数え方を工夫してみます。
1拍を半拍ずつに分けて数える数え方です。
4分音符(1拍)や2分音符(2拍)、付点2分音符(3拍)のような音符しか出てこない場合は「123・・・」と、1拍を基準にして数えれば良いのですが、付点4分音符や8分音符のように1拍半、半拍といった長さの音符が出てくる場合は、半拍を基準にして数えるようにするとリズムがとても分かりやすくなります。
いろんな数え方があると思うのですが「1と2と3と」と数えるやり方が多いのでしょうか。
「1」半拍分+「と」半拍分=「1と」1拍分
という数え方です。
私は数字と数字の間に「と」が入るのがどうも数えにくく感じてしまうので、生徒さんとのレッスンでは「1ち2い3ん」(いちにいさん)と数えています。
「い」半拍分+「ち」半拍分=「いち」1拍分
自分が数えやすい数え方であれば、どんな数え方でもいいと思います。
重要なのは、半拍を基準にしてきちんと数えることです。
②右手のリズムをうってみよう
半拍を基準にして「1ち2い3ん」と声に出して数えながら、2小節目の右手のリズムを机の上で打ってみましょう。
付点4分音符・・・1ち2(1拍半)
8分音符・・・い(半拍)
4分音符・・・3ん(1拍)
1ち2い3ん
と、数えながら青い部分の始めで付点4分音符、赤い部分で8分音符、緑色の部分の始めで4分音符を打ちます。
③両手でリズムをうってみよう
左手は1拍目も2拍目も3拍目も4分音符です。
なので
1ち2い3ん
青い部分の始め、赤い部分の始め、緑の部分の始めでそれぞれ4分音符をうつことになります。
これも数えながら左手で机の上をうってみましょう。
右手よりはうちやすいですよね。
では。
いよいよ両手でリズムをうってみます。
1ち2い3ん、と数えながら両手でうってみてください。
心の中でなんとなく数えるのではなく、必ず声に出して数えることで正しいリズムでうつことができているかが明確なります。
どうですか?
右手 1ち2い3ん
左手 1ち2い3ん
こうして右手と左手を並べてみるとわかりやすいですね。
2拍目の ”2い” のところに気をつけてリズムをうつようにします。
そして、右手をうつときには1ち2の部分を強めにうち、い3んで少し力を緩めてうつようにするとリズムがうちやすく、リズミカルな感じになります。
両手にしたときに、右手と左手それぞれがスムーズにうつことができるようになるまで、根気よくがんばってみてください。
何度もやっていると無意識に力が入って机をバンバン(笑)
手が痛くなるので、気を付けてくださいね。
2小節目を取り上げてリズム練習をしましたが、その前の1小節目は2小節目と書き方が違いますが同じリズムです。
2小節目の付点4分音符を1小節目では4分音符と8分音符に分けて書き、それをタイでつないで付点4分音符と同じ1拍半にしています。
ピアノで弾いてみよう
机の上でのリズム練習、いかがでしたか?
机の上で正確なリズムをうつことができれば、ピアノですぐに弾くことができると思います。
右手に出てくる音は、ドレミファソの5つの音だけなのでポジション移動はありません。
スラーのかかり方をよく見て、スラーの終わっているところの付点2分音符は十分に3拍のばしてからタイミングよく息つぎをして次のスラーの始まりの音に入るようにします。
そして、机の上でのリズム練習のところでも書いていますが、ピアノで弾くときにも付点4分音符は強めに(アクセントになるような強さではなく)、その後の8分音符と4分音符はそれよりも少し力を弱めて弾くようにすると、バランスの良いメロディーラインに仕上がると思います。
左手に出てくる音は、ドミソとシレソの2つのパターンの音だけです。
左手は両手で弾く前に手のポジションを確認するため、和音にして弾いた後に、楽譜通りに弾くといいと思います。
この和音にして弾く練習の仕方は46番で詳しく書いています。
46番と48番は伴奏の形は異なりますが、出てくる音はドミソとシレソで同じです。
なので、46番で左手の練習が丁寧にされていれば、48番の左手は難なく弾くことができると思います。
そして、両手で弾くときには机の上でのリズム練習の通りに正確なリズムで弾いていってくださいね。
最後の音を弾いたら曲は終わり?
一番最後の小節は右手も左手も付点2分音符で終わっています。
ここは右手も左手も3拍よく数えてから両手をそろえて鍵盤から離して終わるようにします。
これもレッスンでよくあるのですが、最後の音を弾いてから3拍の長さよりも短く終わってしまったり、鍵盤が上がるタイミングが右手と左手バラバラだったりする子がいます。
曲の終わりは一番最後の音を弾いた瞬間ではなく、一番最後の音の長さが正確にのばされ、鍵盤が上がり音がなくなった後です。
とても細かいことを言うようですが、とてもとても大切なことだと思います。
せっかくきれいに今まで弾けていたのなら、最後もきれいに丁寧に終わりたいですね。
さいごに
今回の48番では付点4分音符と8分音符のリズムのことを中心にお話ししました。
バイエルではこの先、55番 61番 64番 67番 72番 81番 に同じリズムが出てきますが、48番を丁寧に練習しておけば難なくリズムをとることができると思います。