ピアノの発表会 会場でのマナー

こんにちは。

”マナー” という言葉はみなさん誰でもご存知の言葉ですよね。
マナーという言葉を辞書で調べてみると・・・

態度。礼儀。礼儀作法。

などど書いてありました。

先日行った教室の夏の発表会で、このマナーに関する少し気になったことがあったのでお話したいと思います。

子どもにもちゃんと伝わる!発表会でのマナー。

ピアノの発表会は舞台の上で演奏することだけではありません。
私は発表会に参加する生徒さんとレッスンの中で行っていることやお話していることが2つあります。

1つ目は演奏する側としてのこと。
2つ目は演奏を聴く側としてのこと。

①演奏する側としてのこと。
・舞台袖で待機している時は大きな声は出さないように。
・名前を呼ばれたら舞台中央まで歩き、お辞儀をしたら椅子に座り、演奏が終わったら椅子から降りて、再度お辞儀をして舞台袖に歩いていく。
この一連の動作の練習。

②演奏を聴く側としてのこと。
・自分が演奏する時以外は客席に座り、他の人の演奏を聴きましょう。
・演奏の始めと終わりには大きな拍手をしてあげましょう。
・演奏中は話はしないで、静かに演奏を聴きましょう。
・どうしても話がしたくなったら演奏と演奏の合間に会場の外へ出るようにしましょう。(でも、また落ち着いたら戻ってきてね)

このように文章にして書くと、とても堅苦しい感じがしますね。
そして、なんと厳しい先生・・・
って、思われる方もいるかもしれませんね。

でも、どれも大切なことです。

特に②演奏を聴く側としてのこと。
このことについてもう少しだけ詳しくお話したいと思います。

これについては自分が演奏すること以外に学ぶことがいろいろあります。
例えば他の人の演奏を聴いて何か刺激を受ける、時と場合によっての振る舞い方を覚えるなど子どもにとってとても良い機会になると思います。

「子どもにそんなことまでできるわけがない」とか「まだ小さいからまだ無理」と思われるかもしれませんが、できる範囲で良いのでどうしてそのようにしなければいけないのかということを話してあげると、子どもはちゃんと理解できます。

そして、発表会の当日にただ「静かにしようね」とだけ言うのではなく、事柄をきちんと理解できるように発表会が近くなってきた頃に前もってお話をしてあげることが大切です。

例えば
「〇〇ちゃんの演奏をみんな楽しみに聴いてくれるよ。うれしいね!きっとみんな大きな拍手をしてくれるよ。〇〇ちゃんも、みんなの演奏を応援してあげようね。」
「〇〇ちゃん、せっかく今日までがんばって練習してきたのに〇〇ちゃんが演奏している時にみんながお話してたら悲しいよね。やっぱり演奏は静かに聴いてあげないといけないよね。」

など、思いついたたとえ話などに置き換えて話してあげると理解しやすいように思います。

”この子はまだ小さいから” ”まだ理解できる年齢ではないから” と、話をしないのではなくどんなに小さくても、まだ理解するのは無理かな?と思ったとしてもお話するようにしています。
そして、もしそれが上手く伝わらなかったとしても発表会が開催されるたびに同じことをお話するようにしていると、それが自然と身についていきます。

発表会ではたまに舞台袖の小窓から客席を見たりするのですが、毎年落ち着きなく客席に座っていた子がほかの子の演奏を静かに聴き、大きな拍手をしているのを見たりすると ”成長したなぁ~” と嬉しく思います。

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親御さんの視点で考えてみる

前述した通りお話をしてもやはり3~4歳の小さな子はそれを行動に移すということはなかなか難しいことです。
始めのうちはママや先生とのお話通りできていても、長時間です。
これは小さな子にとっては無理もないと思います。

それから、兄弟姉妹で上の子の発表会で下の子が一緒についてきた場合。
下の子はピアノを習っているわけではないのでなおさらです。

ここで2つの質問をしたいと思います。
①もし他のお子さんが演奏中、
自分のお子さんが客席を走り回ったり、明らかに演奏している本人や客席にいる人たちにも聞こえるくらいの声で話をしだしたらどうしますか?

②もし自分のお子さんが演奏中、
他のお子さんが客席を走り回ったり、明らかに演奏している本人や客席にいる人たちにも聞こえるくらいの声で話をしだしたらどうしますか?

質問を読んでいてお気づきになられたと思いますが、①と②の立場を入れ替えて質問させていただきました。

親御さんは発表会までの長い間、お子さんの日々の練習を応援してきたと思います。
そしてお子さんも時には上手くできなくて辛い時もあったでしょう、でも発表会のこの日まで練習をがんばってきました。

そして舞台でそれを披露するのは本当にあっという間です。
そんな一度きりの舞台。

どの親御さんも我が子の成長をしっかりと目に焼き付けて、感動している瞬間です。

そんな時に質問②の立場だったら誰でも不快に感じるに違いありません。
これは相手が子どもだからと割り切れるものではないです。
運悪く、すぐ近くの席でそんなことが起こったら本当に不快です。
演奏しているのが自分のお子さんでなくても不快だと思います。

お子さんに言い聞かせている親御さんの声が・・・

質問①の立場の場合、きっと誰でも自分のお子さんに注意をすると思います。
それが一度や二度の注意で治まれば何も問題はないと思います。

でも何度言ってもそれがお子さんに伝わらない場合もあります。
これは仕方がないことです。
相手は大人から見たら幼い子どもです。
始めから大人と同じようにできる訳がないのです。

一度や二度注意して治まらなければ親御さんは何度も注意します。
この光景。
親御さんとしては普通のことですよね。

このような光景は、自分の開催する発表会に限らず他の教室の発表会やコンクール会場などで私自身何度も目にしてきました。

一度、二度注意して治まらなければ何度も注意する・・・

でもこれ、お子さんを注意している親御さんの声が気になるのです。
言葉は悪いですが、その声が周りに丸聞こえなのです。

時にはお子さんの話をしている声よりも親御さんの注意する声の方が大きかったりします。

親御さんは ”周りに迷惑をかけてはいけない” という一心で、お子さんに注意をしているのですが、その親御さん自身の声が周りに聞こえているということに気がついていないのです。

また、たとえ小さな声で注意をしていたとしても静まり返った会場では声は響きやすいです。
小さな声と言えば、隣同士に座っている大人同士が演奏中にも関わらずとても小さな声で話をしているのを見かけることもあります。
そんな細かいことまで・・・
と、思うかもしれませんが音に対して敏感な人であればこれはとても気になることであり、人によっては不快に感じる人もいると思います。

これは、その親御さんのことや小さな声で話をしている人を責めているのではありません。
私自身も含め、何もかも気がつく人なんていません。
どんな会場でもいろんな人が見に来ているということです。

お子さんが会場内を走り回っていようが話をしていようが何も注意をしない親御さんを見かけることがあります。
それよりはきちんと注意をする方がいいですよね。

舞台で演奏中にお子さんに注意をするときには声は出さず「しー」というゼスチャーだけにとどめるようにして、それが一度、二度で治まらないようであれば演奏と演奏の合間にいったん会場の外へ出て、お子さんに注意・・・ではなく分かるようにお話するのがベストだと私は思います。(あくまでも私が個人的に思ったことです)

また大きなホールの場合、親子室が設けてあるところが大半だと思います。
ピアノの生の音を聴くという点では親御さんにとっては少し残念だとは思いますが、もし親子室があるホールであれば親子室を利用するというのも1つの方法だと思います。

この時も親子室であれば大きな声を出してもいいというのではなく「ちゃんとお席に座ってお話しないで見ることができたら、大きいお兄ちゃんやお姉ちゃんと同じあの席で見ることができるよ。」などとお話してあげるのもいいかもしれませんね(^v^)

さいごに

冒頭で書いた ”マナー” という言葉。
どうするのが正しくてどうするが良くないといった線引きのようなものは人によって感じ方や考え方が違うので ”こうすべき” と決定することは難しく、また1人の人が声を大にして断言するものでもないと思います。

何もかも完璧に事を進めていくなどあり得ないことですが、ピアノ教室の発表会は会場にお越しになったみなさんの協力次第で良くもなり悪くもなります。

生徒さんたちがこの日のためにがんばって練習してきた成果を発揮できる場をみんなで作っていく。

ピアノの発表会はそんな会であるべきだと思っています。

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